終わること、始まること

この春、仕事中に聴いていたラジオ番組がひとつ終わってしまいました。

今の会社を立ち上げるまでは、普通に雑談ができる環境で仕事をしていたのですが、
急に静かな部屋で仕事をすることになり、その空間に慣れない自分にとって、
ラジオをつけるという選択は、ごくごく普通の流れだったと思います。
ほとんどは、聞き流していることが多いのですが、
ふとした時にかかる曲に、初めて聴くゲストの話に、ホストの話す何気ない日常に、
ちょいちょい仕事の手を止めてしまうことしばしば。
まだまだ知らない国の話や、美味しいそうな食べ物、手に取りたくなる物の話など、
コロナが明けたら行ってみたい場所、空間が増えていったのは、
このラジオ番組のおかげだったのは間違いないです。

時を同じくして、まる3年続いてきたお仕事が、この春でいったん終了しました。
一年ごと更新のお仕事だったので、いつ終わってもおかしくない案件だったのですが、
いろいろな方の頑張りがあって、3年も続けさせてもらえることができました。
3ヶ月に一度、静岡ではない場所に長期間出掛けて、
現地の人に会い、新しい学びや刺激を受け、そしてそれを同行するスタッフと共有し反芻する。
そんなことを12回も繰り返してきたのは、
これまでの編集者人生の中でも、なかなかできない経験だったなと、今になって思うのです。

そして、長きにわたって志水のことを可愛がってくれてきた編集者さんが、
新たな道に進むということで、いったんお仕事をご一緒するという繋がりがなくなってしまいました。
仕事の時でも、だいたいプライベートな話しかしてこなかったのですが、
物の捉え方や感激ポイントが似ていて(と、勝手に思っている)、
面倒な前提がなくても深く話を進められるのが、本当に心地よかった。
その方とは、いずれ台湾野球を見に行こう、という約束をしました。

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この春、新しい案件のお話をいただく機会がいくつかありました。
ありがたいことです。

以前、大変お世話になった方々からのお話や、
お仕事を通じて紹介していただいた、初めましての方からのお話など、
どのお話も、今までの延長線上にありつつも、
これまでのスキルだけでは乗り越えられなさそうな、
もう一段、何かしらの熱量がないと作りきれなさそうな手強い(?)お話です。
試されてるなぁ。。。
若ければドキドキワクワクしてるのでしょうが、歳をとってきたのでズキズキバクバクしている、今日この頃です。

でも、斜陽産業と言われて久しい出版業界ですが、
作り手ですら、まだまだこんなにズキバクできるお話があるということは、
きっと読者にもこの気持ちを伝えられる余地があるということ。
本だからできることに、もっともっと真正面から向き合っていこう、そう思う今年の春です。

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この春、くらしたびは5年目を迎えました。

最初の頃は、まるで短距離走を走っているかのような目が回り息切れし続けるような仕事ぶりでしたが、
ここ数年は、うん、大丈夫!これなら長く走れそう、というペースを掴めるまでになりました。
このペースになると、自分が受けてきた刺激や情報を、
しっかり自分なりの解釈をつけてアウトプットできるようになるようです。

ラジオや仕事、人を通じて自分の中に溜め込んできたものを、
この先の案件に熱量たっぷりに練り込んでいきたいな、と思う、6月3日の創立記念日です。

「ベトナム統一鉄道」の車内にて

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